試合日:2008年 6月14日 球場:伊丹スポーツセンター野球場
松山 1 0 0 0 1 1 0 3
大阪生野 0 0 1 0 1 0 2x 4
投手 小川 捕手 土岐
日本選手権関西大会ベスト16は最終回逆転サヨナラでもぎ取った!
今大会の3回戦、生野シニアは紙一重の勝敗のゆくえを執念の守りとここ一番の攻撃でたぐり寄せ、全国へさらに一歩進みました。
絶好の野球日和。十分にアップを済ませて今日の一戦に臨む生野ナイン、本日の第三試合に登場しました。相手は四国の強豪、松山リトルシニア。
先攻は松山シニア、初回の攻撃。生野先発小川の立ち上がりはまず先頭バッターをキャッチャーフライに打ち取ります。しかし、続く2番打者には左中間に2塁打を打たれ初回から1死2塁のピンチを招きます。3番バッターの2塁ゴロの間にランナー進塁、2死3塁。ここで堪えたいところが4番バッターにセンター前へ運ばれ先取点を許します。続くバッターは三塁ゴロに打ち取りますが、試合開始直後1点のビハインドで攻撃に入ります。
さて、生野の初回の攻撃はキャプテン杉田から。やや打撃不調?も身体能力はチーム1。状態を修正するのも早い選手、案の定打球はきれいにレフトへシングルヒットで無死1塁。さあ得意の速攻が期待できます。が、攻めの気持ちが裏目に出たか捕手からの牽制でタッチアウト。この松山の牽制のうまさがこの後、再三生野ナインを苦しめます。
続く2番溝田、3番土岐が四球を選びチャンスを広げますが、小川、原田が凡退。初回の攻撃は0点に終わります。
続く2回の攻防はお互いランナーを出すものの内野手の連携、牽制などで粘りよく守り、双方の投手をもり立てます。3回の表、松山の攻撃も3番バッターに2塁打を浴びるもここは小川が踏ん張り無失点。
1ー0のまま3回裏の生野の攻撃です。まずは2年坂根の最初の打席、緊張しても落ち着いて四球を選びます。そして盗塁、チャンスを広げます。杉田ショートゴロの間に坂根は3塁へ。溝田凡退で2死三塁。なんとか得点したいところで土岐の打球はショートへ、ここでエラーが出て坂根が同点のホームを踏みます。この幸運な1点で試合は振り出しに、しかしこの回はこの1点のみに押さえられ試合は緊迫した状況が続きます。
4回の攻防も両チーム無得点。バックネット裏父兄もどうなる事か、試合の流れが読めません。当然ハラハラドキドキ、やきもきやきもき。
そして、試合も1ー1の同点のまま後半へと入っていきます。
5回の表、松山シニアの攻撃、ここで試合が動きます。
9番打者のヒットからエラーがらみで遂に勝ち越しの1点を取られます。さらにピンチが続きますがここ最近の小川は大きく崩れません。粘りの投球でピンチをしのぎ、待つのが嫌いな(そんな気がする)この男がぐっと堪えて味方の反撃を待ちます。
松山2ー1生野 再び1点ビハインド。5回の裏、先頭打者は先制のホームを踏んだ9番坂根から。ここでショートへの内野安打、大会初ヒット。続く杉田が確実に送りバント、さらに2番溝田、3番土岐の連続四球で1死満塁。このチャンス、右バッターボックスには待つのが嫌いな(そんな気がする)小川。こうなったら自分でレフトへの犠牲フライを放ちます。坂根、今日2得点目のホームイン、取られたら取り返す。まったくがっぷり四つの展開が続きます。
6回表、松山2ー2生野で松山の攻撃。6番、7番打者をポンポンと内野ゴロ二つでツーアウト。よしっ、いい感じ、、、もつかの間、続く8番打者にレフト前ヒット。さらに9番打者もレフト前への小フライ。レフト福長、先ほどはファインプレーで投手を助けています。ここも思い切り良く前進、なんとしても取ってやる。しかし、打球はあと一歩手前でワンバウンド。しかも不運にもバウンドが代わりボールは転々、、。その間に1塁走者はホームイン、打者走者も三塁へ行き痛恨の勝ち越し点を与えます。
スコアは3ー2で生野の残る攻撃はあと2回。この焦りの中、6回裏の生野の攻撃は無情にも三者凡退。追撃ムードのかけらもなく流れは最悪です。
そして最終回、松山の7回の表の攻撃はさらに生野をどん底の渕に追い込みます。ヒットと連続四球で1死満塁の大ピンチ。小川も疲労の色が隠せません。しかし、この最大のピンチにもバックを守るナインはあきらめず、その仲間の気迫を背に7番打者を三振、8番打者を三塁秋山へのフライに打ち取ります。
この時点でバックネット裏父兄はガクガク。よくぞ押さえた、しかしまだ1点が大きく立ちはだかります。
最終回の裏、大阪生野の最後の攻撃です。さすが、野球を広めた「正岡子規」のふるさと四国松山のチーム(関係ない?)、最後まで苦しめられます。
さあ、じっくり行きましょう。7回裏、先頭打者は代打3年中内。膝を痛め本来のプレーが出来ないながら、チームにとってなくてはならない存在。この男一人で5人分の元気を生野シニアに与えてくれます。この最後の場面でその中内が登場、チームが盛り上がらない訳がありません。打て!振れ!行け!しかし、一番冷静だったのは当の中内。値千金の四球を選んで無死1塁のチャンスをつくります。結果的にこれがここ一番の大仕事。ここで、負傷中内に代わり代走は2年佐原。この場面での初登場で佐原も緊張のピーク。しかしこの初登場佐原が同点のホームを踏む事になります。
打順は先頭打者キャプテン杉田。無死1塁のチャンスに核弾頭がチームの為に燃えます。思いをつなぐ今日2本目のレフト前ヒット!打撃完全復活!これで無死1、2塁。
そして2番ショート溝田。ベンチは当然送りバントのサイン、しかし溝田はそれ以上の結果を出します。セーフティではありません。100%犠打警戒の中、送りバントをあまりにも絶妙に投手前に決め、なんと自らも1塁セーフ!無死満塁の最大のチャンスを演出します!バックネット裏はもう何がなんだか!わーわー言うております。
しかし、一方で怖いジンクスもあります。そうです、無死満塁は点が入りにくい。と、そんな複雑な思いの中、打席には大阪生野の3番バッター土岐。この男の一発に期待がかかります。そして持ち前のフルスイング!やった!土岐の打球は快音とともに見事なライナー!しかし、ショートポジションの範囲内で遊直!歓喜一転やばい、ゲッツーか!?
しかし2塁走者杉田は瞬時にライナーバックで併殺は免れます。この一瞬の判断が大きかった。危うく二死1〜3塁と好機縮小になるところが一死満塁と引き続きチャンスを残す好判断でした。
さあ、ここで4番小川の登場です。1死ながら満塁のチャンス。外野フライ、四球でも同点に追いつきます。あわてるな、じっくり見ていけ!とにかくまず1点を!と、バックネット裏は祈るようにそう思っていたはず。しかし、やっぱり、この男は待つのが嫌いだった!
好球必打!思い切り振り抜いたバットから弾かれた打球は快音、歓声、悲鳴とともに左中間最深部へ!抜けた!三塁走者、1年佐原がまず同点のホームイン、先ほど併殺を切り抜けた二塁走者の杉田もスタート!が、あろうことか遊撃手との交錯?で転倒?しかし、スタートが遅れたものの俊足杉田には関係なく、そのまま一気にサヨナラのホームイン!ここ一番で三塁打級のサヨナラ二塁打を4番小川が放ち、生野シニアは執念の逆転劇を演じました。
言うまでもなくバックネット裏は涙涙。こいつらスゴイ!ひとりひとりのワンプレーが最後は劇的な結果をもたらせてくれました。監督曰く、ピンチのときも最後まであきらめず守りきった事が大事。そしてそれがこの結果を生んだ。
ベスト16決定。しかし、好チーム松山シニアさんとの差は紙一重。長旅の疲れも見せずいわばアウエー状態の伊丹グランドでの奮闘には心よりエールを送りたいと思います。
日本選手権関西大会、次の4回戦の相手は市内ブロック強豪の大阪西成シニアさん。ぶち当たるにはこれ以上ないチーム。最後まであきらめない、悔いのないゲームをやろう!
頑張れ最高のチーム、生野シニア!
Reported by バックネット裏